不動産投資にチャレンジ。はじめに準備しておきたい基本の知識 「想定利回りに惑わされない」物件選び
2024.11.15
暮らし・環境
不動産投資というとハードルが高く、何からはじめていいか分からない…。一般的には難しいイメージがあります。
ここでは、まず不動産投資の基礎知識から、物件を選ぶポイント、収益をどう得るか、資金の管理まで、スムーズに運営していくための情報を知っておくことが大切です。
まず不動産投資とは、土地や建物などといった不動産を取得し、賃貸や売却によって利益を得ていく投資のことです。株式投資や投資信託などと比べて、長期的に安定した収入を得られることが魅力で人気の投資方法だと言われています。相続対策や景気動向対策、また生命保険代わりといった点でも注目されています。
目次
●不動産投資にはどんな種類がある?
不動産投資の中で代表的なものを3つまとめておきます。
〇区分マンション経営
区分マンションを購入し、賃貸して家賃収入を得る方法です。 比較的少額から始めやすく、初心者にも人気があります。ただし、空室リスクや家賃滞納のリスクも考慮して物件選びをする必要があります。
〇一棟アパート経営
一棟アパートやマンションを購入し、賃貸経営を行う方法です。高額な資金が必要になることがありますが、複数の部屋から安定した収入を得ることができます。
〇一戸建経営
一戸建て住宅を購入し、賃貸して家賃収入を得る方法です。ファミリー層をターゲットにすることができ、長期入居にも繋がりやすい場合が多いです。
●不動産投資のメリット・デメリットとは?
不動産投資には、他の投資と同様にメリットとデメリットがあります。投資を始める前に、しっかりと理解しておくことが重要です。
メリット | デメリット |
---|---|
・賃貸経営を行うことで、毎月安定した家賃収入を得ることができます。 ・インフレ時には物価上昇とともに不動産価格や家賃も上昇する傾向があり、資産価値が目減りしにくいという点があります。 ・不動産投資を行う場合、ローンを組めば団体信用生命保険に加入する場合が多く、万が一、返済中に死亡した場合、残りのローンが保険で支払われます。 ・減価償却費やローン金利などの経費計上が認められています。経費を所得から差し引くことで、税負担の軽減が可能です。 |
・空室リスクがあります。入居者がいなければ家賃収入を得ることができません。 ・入居者が家賃を滞納するリスクがあります。滞納が発生した場合、督促などの対応が必要になります。 ・地震や火災などの災害で不動産が損壊することがあります。火災保険や地震保険に加入しておくことが重要です。 ・ローンを利用して不動産投資をしている場合、金利上昇によって返済額が増加することがあります。 |
●物件選びのポイントはなに?
適切な物件選びが他大切な不動産投資。どんな種類の物件を選ぶか、どんな立地がいいか、等々、考慮すべき点はたくさんあります。ここでは、物件選びの際に特に重要なポイントを詳しく解説していきます。
〇通勤通学に便利なアクセス
なんといっても不動産投資において「立地条件」が一番大切です。需要の高いエリアを選ぶことで、長く安定した経営が可能になります。駅からの距離は中でも大切、最寄り駅から徒歩10分以内、さらに5分以内であれば、高い人気が見込めます。
複数路線利用可能な駅や、特急停車駅などは特に人気、また地域の特性も考慮したいもの。クルマ生活が中心のエリアなら道路の整備も大切。バス便ならバス停までの距離や本数なども確認しておきましょう。
〇生活利便施設が整う周辺環境
生活の利便施設が整っているかも大切です。スーパーマーケット、商店街、病院、金融機関、公共施設など、利便施設が徒歩圏内にあると、に入居者を集めやすくなります。また学校や塾などの教育関連施設、公園や緑地などの自然環境も子育て世代には大きなポイントになります。
治安の良さも見逃せないポイント。犯罪発生率が低い、駅からの帰り道に街灯が整備されているなど、安心して暮らせる環境は、特に女性やファミリー世帯には大きなポイントになります。
〇将来性のある住環境
再開発計画や新線や新駅の誕生など、これからの発展が見込める場所は、将来性も期待できます。人口や世帯数の推移なども参考にしてみましょう。開発計画が持ち上がっている、企業の進出が予定されている、特徴のある行政サービスがあるなど、将来的な価値上昇を見込めるエリアは、長期的な投資に適しています。
〇地域特性にあった物件の選択
アパートやマンションなどの集合住宅は駅に近いことがポイントになります。一戸建てなら、駐車場の確保なども留意しましょう。またバス停までの距離や主要都市へのアクセスなども頭に入れておきたいものです。それぞれの特徴を理解し、投資目標や戦略に合った物件を選びましょう。
●実際の利回りを計算して収益力を把握することが大切
不動産投資には、経営後の「利回り」について理解しておくことが大切です。利回りとは、投資した金額に対してどれだけの利益が見込めるかを示すものです。
ただし利回りだけを重視した物件選びには、ときには投資として心配なこともあります。初心者には分かりづらい利回りの基礎知識から、エリア別の利回り相場、物件の種類ごとのメリット・デメリットなどを把握しておく必要があります。
〇表面利回りと実質利回り
表面利回りとは、物件の購入価格に対する年間の家賃収入の割合を示したものです。
(計算式)
表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100%
表面利回りは、簡単に物件の収益性を把握しておくには便利ですが、実際には、不動産を取得するための費用や、維持管理費、空室リスクなどを考慮に入れていません。そのため、表面利回りだけで物件の実際の収益性を判断するのは困難です。
実質利回りとは、表面利回りから、不動産を取得するための費用などの諸費用を差し引いた、実際の収益性を示したものです。
(計算式)
実質利回り = (年間家賃収入 – 年間にかかる諸費用) ÷ (物件価格 + 購入時にかかる諸費用) × 100%
※年間にかかる諸費用とは固定資産税、都市計画税などの税金、管理費、修繕積立金、火災保険料、賃貸管理手数料など常時掛かる費用です。
※購入時にかかる諸費用とは、不動産取得税、登録免許税といった税金、司法書士への報酬、ローン手数料など不動産購入時に必要な費用です。
実質利回りは、表面利回りよりも正確に物件の収益性を知る目安になりますが、突然の修繕費用や空室リスクなど、予測しにくい点もあるため、あくまで目安として考えることが大切です。
〇想定利回りに惑わされない
不動産投資において、確かに利回りは重要な指標の一つですが、それだけで物件の基準にするのは危険です。というのも、隠れたコストや、今後起きるリスクを見落としてしまう可能性があるからです。
高い「表面利回り」を謳っている広告をよく見かけます。しかし、表面利回りが高くても、実際の収益力を正確に評価しているわけではありません。物件の購入費用やローン手数料、固定資産税、管理費、修繕費などの諸費用は考慮されていません。これらの費用を差し引いた実際に手に入る利回りで判断することが重要です。
〇空室リスクを考慮する
不動産投資において、空室は大きなリスクとなります。空室が発生すると、空室期間の家賃収入は入ってきません。収益バランスが悪化します。利回りだけに注目して、入居需要の低い物件や地域特性に合わない物件を選ぶと空室リスクが高まります。
物件の立地や周辺環境、周りの競合物件の状況などをきちんと把握して、空室リスクを最小限に抑えることが重要です。そのためにも購入後も適切なメンテナンス、経済状況の変化に応じた対応が必要です。
●大切なのは頼れるプロに相談すること
不動産投資は比較的時間にゆとりのある投資ですが、やはり購入して終わりではありません。状況に応じた対応で空室を減らすためにも、プロのアドバイスは必要です。
初心者にとって、不動産投資には正確な情報と専門的なアドバイスが不可欠です。信頼できる相談先を選ぶためには、今までの 実績と評判の確認、専門性のある提供サービス、必要なコストと利用条件、利用者にとって相談しやすい環境などを鑑みて選びましょう。
○まとめ
不動産投資は、しっかりした知識と準備があれば、長く安定した収入を得られる有効な資産運用方法です。もちろんリスクも伴うため、事前にメリット・デメリット、物件選びのポイント、キャッシュフロー管理などをしっかりと理解しておくことが重要です。
記事監修
江戸 修一
株式会社リプロ 代表取締役、リプロでは公正取引協議会への協力や宅建業者を監視、指導する県庁の建築安全課などと積極的に連絡を取り合い、不動産取引において万全を期した事業を展開。大手デベロッパー、流通各社、地元の工務店、不動産業者、金融機関、弁護士、司法書士などと意見、情報の交換を親密にし、 常に新しい情報をお客さまに提供。建売分譲用地の仕入れと仲介販売流通業を兼業。様々な案件のご相談にお応えしています。
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